キャリアアップ助成金の「賞与・退職金制度導入コース」は、賞与や退職金の制度を新たに導入する事業者を支援する制度です。賞与と退職金を同時に導入すると加算の対象となるため、制度導入を検討している企業は確認しておきましょう。
2026年度も助成額等に大きな変更や改定はなく、これまでどおりの内容で申請できます。本記事では、賞与・退職金制度導入コースの要件や助成額、申請方法について詳しく解説します。
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この記事の目次
キャリアアップ助成金 賞与・退職金制度導入コースとは
キャリアアップ助成金の賞与・退職金制度導入コースは、すべての有期雇用労働者等に対して、賞与や退職金の制度を新たに導入した事業者を助成する制度です。制度内容を就業規則または労働協約に定めた上で、支給または積立てを実施すると対象となります。
本制度での「賞与」と「退職金」の定義は、以下のとおりです。
| 賞与 | 一般的に労働者の勤務成績に応じて定期または臨時に支給される手当(いわゆるボーナス) |
|---|---|
| 退職金 | 事業所を退職する労働者に対して、在職年数等に応じて支給される退職金(年金払いによるものを含む)を積み立てるための制度であって、積立金や掛金等の費用を全額事業主が負担することが就業規則または労働協約に規定されており、実際に積立金等の費用を全額事業主が負担するもの (事業主が拠出する掛金に上乗せして従業員が掛金を拠出する場合を含む) |
なお、過去に「旧諸手当制度共通化コース」および「旧諸手当制度等共通化コース」の助成金の支給を受けている場合は、本コースの支給対象外となります。
助成額
賞与・退職金制度導入コースの、1事業所あたりの助成額は以下のとおりです。
| 区分 | 賞与または退職金制度いずれかを導入 | 賞与と退職金制度を同時に導入 |
|---|---|---|
| 中小企業 | 40万円 | 56万8,000円 |
| 大企業 | 30万円 | 42万6,000円 |
中小企業の場合、賞与または退職金のどちらか導入する場合は40万円ですが、同時に導入すると56万8,000円に引き上げられます。
本制度の中小企業の範囲は、資本金額または常時雇用する労働者の数で判断されます。詳しくは以下をご確認ください。
| 区分 | 条件 |
|---|---|
| 小売業(飲食店を含む) | 資本金5,000万円以下または労働者数50人以下 |
| サービス業 | 資本金5,000万円以下または労働者数100人以下 |
| 卸売業 | 資本金1億円以下または労働者数100人以下 |
| その他の業種 | 資本金3億円以下または労働者数300人以下 |
なお、助成を受けられるのは、1事業者あたり1回のみとなります。
申請対象となる事業主の要件
本制度の対象となるのは、雇用保険適用事業所の事業主です。キャリアアップ計画を作成し、管轄労働局長に提出した上で、以下の要件を満たす必要があります。
| ①雇用するすべての有期雇用労働者等に関して、賞与もしくは退職金制度またはその両方を新たに設け、就業規則または労働協約に定める |
| ②対象労働者1人につき、以下のいずれかまたはその両方を満たす A 賞与:6か月分相当として50,000円以上支給する B 退職金:1か月分相当として3,000円以上を6か月分または6か月分相当として18,000円以上積み立てる |
| ③ ①の制度をすべての有期雇用労働者等に適用させる |
| ④ ①の制度を初回の賞与の支給または退職金の積立て後6か月以上運用している |
| ⑤適用前と比べて基本給および定額で支給されている諸手当を減額していない |
| ⑥ ②Bの適用を受ける場合、支給決定後に積立金等が確認できる書類を提出すること |
これまでに慣例的に賞与や退職金を支給していた企業でも、新たに制度として就業規則等に定めた場合は、助成の対象となる可能性があります。
ただし、既に一部の有期雇用労働者等に賞与を支給し、就業規則に規定している企業が、「すべての有期雇用労働者等に対して一律支給する」と制度を変更しただけでは対象外となります。
対象となる労働者
賞与・退職金制度導入コースの対象となるのは、次のすべてに該当する労働者です。
| ①賞与もしくは退職金制度またはその両方を新たに設けた日の3か月以上前の日から、新設日以降6か月継続して、支給対象事業主に雇用されている有期雇用労働者等 |
| ②賞与または退職金制度、またはその両方を新たに設け、初回の賞与支給または退職金の積立てをした日以降の6か月間、その事業所で雇用保険被保険者として雇用されている |
| ③事業主または取締役の3親等以内の親族ではない者 |
| ④支給申請日に離職していない者 |
①の「新設日以降6か月継続」に関しては、勤務をした日数が11日未満の月は除きます。ただし、有給休暇等の労働対価が全額支給された日は出勤日と見なされます。
賞与・退職金制度導入コースの申請手順
賞与・退職金制度導入コースでは、対象労働者に対して初回の賞与を支給した日、または退職金の積立て後6か月分の賃金を支給した日の翌日から、2か月以内に申請してください。申請スケジュールのイメージは、以下のようになります。
賞与制度と退職金制度を同時に導入し加算を受ける場合、初回の賞与の支給日と初回の退職金の積立て日が同日である必要はありません。その場合の申請期間は、初回の賞与支給日または退職金の積立て日のいずれか遅い日から起算して、6か月分の賃金を支給した日の翌日から2か月以内となります。
キャリアアップ助成金の申請窓口は、管轄の都道府県労働局です。または、公式サイトより電子申請にも対応しています。
申請時は、「支給申請書」や「賞与・退職金制度導入コース内訳」等の書類の提出が求められます。
書類の様式については、キャリアアップ助成金の公式サイトでご確認ください。
賞与・退職金制度導入コースに関するよくある質問
最後に、賞与・退職金制度導入コースに関するよくある質問を紹介します。正規雇用労働者が1人もいないけど対象になる?
本コースの趣旨は、雇用する有期雇用労働者等に関して賞与・退職金制度を導入することによる有期雇用労働者等の処遇改善を目的としており、正規雇用労働者が1人も存在しない場合であっても、本コースの支給を受けることができます。
社外積立型の退職金制度を導入した場合も対象になる?
退職金制度は、中小企業退職金共済制度のような社外積立型の退職金制度を導入する場合でも、支給対象となり得ます。
一部の労働者に限定して賞与・退職金制度を導入したら対象になる?
合理的な理由なく、一部の労働者のみを対象とするように賞与・退職金制度を就業規則等に規定もしくは運用している場合には、支給対象外となります。 しかし、例えば、退職金制度の加入要件に「勤続1年以上経過した者」といった一定の勤続年数(著しく長いものを除く)を設けることは、退職金の功労報償的性格に照らして合理的な理由と認められ、支給対象となり得ます。
参考:キャリアアップ助成金(障害者正社員化コース以外)Q&A
まとめ
賞与・退職金制度導入コースは、非正規雇用労働者の待遇の改善を計画している事業者が活用できる補助金です。制度を整えることで、処遇改善によるモチベーション向上や人材の定着につながり、採用面での魅力づけにも役立ちます。
申請期限は初回支給(または積立て)後、6か月分の賃金支給日の翌日から2か月以内となります。導入時は、申請期限を踏まえて計画的に進めることが大切です。
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