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キャリアアップ助成金(障害者正社員化コース)障害者雇用対策に活用できる!

公開日:2023/3/9 更新日:2026/4/2
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キャリアアップ助成金とは、非雇用労働者のキャリアアップを目的として整備された制度です。その中でも障害者正社員化コースは「障害者の雇用促進」を目的としており、要件を満たす労働者を正規雇用等に引き上げるといった取り組みを行う事業者を支援します。

今回の記事では、この「障害者正社員化コース」の詳しい内容や支給額、受給要件について解説します。

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この記事の目次

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キャリアアップ助成金 障害者正社員化コースとは

今回の記事で紹介する「障害者正社員化コース」は、障害者の雇用を促進させて職場定着を図るために整備されました。以下2つの措置を継続的に実施した事業主に対して、一定額の助成金が支給されます。

①有期雇用労働者を正規雇用労働者(多様な正社員を含む)、または無期雇用労働者に転換する
②無期雇用労働者を正規雇用労働者に転換する

2026年度は「高次脳機能障害と診断された者」が追加

障害者正社員化コースの2026年度(令和8年度)の主な変更点は。新たに「高次脳機能障害と診断された者」が支給対象に追加された点です。

高次脳機能障害とは、交通事故や脳卒中などによる脳へのダメージが原因で、記憶・注意・言語・行動などの認知機能に障害が生じた状態を指します。これまで支援の対象外となっていたケースでも、本コースを活用できる可能性があります。

助成額は、重度以外の身体障害者・知的障害者・発達障害者・難病患者と同じ区分が適用されます(中小企業の場合、有期雇用→正規雇用で最大90万円)。

支給対象となる事業主

本制度の支給対象となる事業の主要件は、以下の通りです。この要件は、キャリアアップ助成金の全てのコースで共通となります。

①雇用保険適用事業所の事業主
②雇用保険適用事業所ごとに、キャリアアップ管理者を置いている事業主。キャリアアップ管理者は、複数の事業所および労働者代表との兼任はできない
③雇用保険適用事業所ごとに、対象労働者に係るキャリアアップ計画を作成し、管轄労働局長に提出した事業主である
④該当するコースの措置に関係する対象労働者の労働条件、勤務状況および賃金支払い状況等を明らかにする書類を整備し、賃金の算出方法を明確に示せる事業主
⑤キャリアアップ計画期間内にキャリアアップに取り組んだ事業主

本コースに申請するためには、コース実施日の前日までに、管轄労働局長にキャリアアップ計画書の提出が必要です。詳しい申請までの流れは、以下のとおりです。

なお、労働保険料を納入していない事業主や過去1年位内に法令違反があった事業主、風俗業・暴力団関連者等は受給の対象外となります。

支給額

障害者正社員化コースの助成金支給額は、支給対象者および実施した措置によって異なります。詳しくは、以下のとおりです。

支給対象者措置内容支給総額支給対象期間ごとの支給額
重度身体障害者
重度知的障害者
精神障害者
有期雇用→正規雇用120万円
(90万円)
60万円×2期
(45万円×2期)
有期雇用→無期雇用60万円
(45万円)
30万円×2期
(22.5万円×2期)
無期雇用→正規雇用60万円
(45万円)
30万円×2期
(22.5万円×2期)
重度以外の身体障害者
重度以外の知的障害者
発達障害者
難病患者
高次脳機能障害
と診断された者
有期雇用→正規雇用90万円
(67.5万円)
45万円×2期
(33.5万円※×2期)
※第2期の支給額は34万円
有期雇用→無期雇用45万円
(33万円)
22.5万円×2期
(16.5万円×2期)
無期雇用→正規雇用45万円
(33万円)
22.5万円×2期
(16.5万円×2期)

支給対象期間は1年間で、最初の6ヶ月を「第1期」、次の6ヶ月を「第2期」といいます。ただし、助成金の金額が各支給対象期に支払った賃金の総額を上回る場合は、実際に支払った賃金の総額までを上限として支給されます。

対象となる労働者

以下すべての項目に該当する労働者が対象です。

①申請事業主に雇用される労働者である
②以下のいずれかに該当する労働者である
身体障害者・知的障害者・精神障害者・発達障害者・難病患者・脳の機能的損傷に基づく精神障害である高次脳機能障害であると診断された者
③就労継続支援A型事業の利用者ではない
④次のいずれかに該当する労働者である
・正社員とは異なる賃金ルールが適用される雇用区分で、同じ会社に通算6か月以上雇用されている有期雇用労働者
・正社員とは異なる賃金ルールが適用される雇用区分で、昼間学生期間を除き、通算6か月以上(障害者トライアル雇用期間を含む)雇用されている無期雇用労働者
⑤事前に正規雇用や無期雇用で雇い入れられることを約束された労働者でないこと。
⑥過去3年以内に同一の事業主やグループ会社等で、正規雇用や無期雇用として雇い入れられていないこと
⑦転換を行った適用事業所の事業主、または取締役の3親等以内の親族以外の者
⑧無期雇用労働者に転換される場合、通算契約期間が5年を超え、期間の定めのない労働契約の締結申込みの権利を有する者ではない
⑨今後、別の雇用形態に戻る予定がないこと
⑩支給申請日において、転換後の雇用区分の状態が継続し、離職していない者
⑪転換後の雇用形態に定年制が適用される場合、転換日から定年までの期間が1年以上ある者

障害者正社員化コースの要件

本コースを申請するためには、事業主は以下すべての要件を満たす必要があります。

①有期雇用の労働者を正規雇用または無期雇用に転換した事業主、または無期雇用の労働者を正規雇用に転換した事業主
②対象労働者を、支給対象期ごとに6か月以上継続して雇用し(勤務日数が月11日未満の月を除く)、その期間の賃金(時間外手当を含む)を支払った
③転換日以降の期間、対象労働者を雇用保険被保険者として適用させている
④転換日以降の期間、対象労働者を社会保険の適用要件を満たす事業所で雇用している。労働条件が社会保険の適用要件を満たす場合は、社会保険を適用させている
⑤多様な正社員に転換する場合、その雇用区分を、労働協約または就業規則、その他これに準ずるものに規定している
⑥転換する際に、対象労働者の同意を得ている
⑦転換後6ヶ月間の賃金を、転換前6ヶ月間の賃金より減額させていない。第2期であれば、第1期と比較して合理的な理由なく引き下げていない
⑧転換日の前日の6か月前から1年後までの間に、事業主の都合で雇用保険の被保険者を解雇などにより離職させていない
⑧転換日の前日の6か月前から1年後までの間に、事業主の都合による離職者(特定受給資格者)の割合が、転換日時点の雇用保険被保険者数に対して6%を超えていない
⑩支給申請時点で、支給の対象となる対象労働者を解雇等事業主都合で離職させていない
⑪転換後に、対象労働者について最低賃金の減額特例の許可を受けていない

障害者正社員化コースの支給申請方法

支給申請期間について、申請期間は「第1期」「第2期」で異なります。

【第1期】
転換した対象労働者に対し、正規雇用労働者、無期雇用労働者としての賃金を「最初の6ヶ月分を支給した日の翌日」から起算して、2ヶ月以内に申請する

【第2期】
第1期支給対象期の次の「6ヶ月分の賃金を支給した日の翌日」から起算して、2ヶ月以内に申請する

なお、就業規則等の規定により「実績に応じ基本給等とは別に時間外手当を翌月等に支給している」場合は、6ヶ月分の時間外手当が支給される日を賃金を支給した日となります。

また、転換日が「賃金締切日の翌日でない」場合は、転換日以降の最初の賃金締切日後、6ヶ月分となります。いずれの場合も、勤務日数が11日未満の月を除外してください。

申請方法

上記の支給申請期間内に、支給申請書および添付書類を、事業所の所在地を管轄する都道府県労働局に提出しましょう。支給申請書の提出は、ハローワークを通じて提出できる場合があります。詳しくは各都道府県労働局にお問い合わせください。

各都道府県労働局の住所は、キャリアアップ助成金(障害者正社員化コース)のご案内の20ページで確認できます

なお、支給申請書類を郵送することも可能ですが「申請先への到着日が支給申請期間内である」という必要があるため、十分な余裕を持って申請しましょう。

障害者正社員化コース活用のメリット

障害者を雇用する場合、人件費はもちろんですが、例えば「視覚障害者のために点字ディスプレイを設置する」「業務の生産ラインを見直す」など社内環境を整備する必要があります。このような社内環境の整備にもお金がかかるため、なかなか障害者雇用の促進に足踏みしている企業も多いでしょう。

キャリアアップ助成金(障害者正社員化コース)を活用すれば、一定額が助成されるため、上記のような資金面の負担を軽減できます。

障害者雇用対策の必要性

本来働く上では、障害の有無に関わらず、個々人の希望やスキルにマッチする仕事に就けることが理想です。この考え方は、厚生労働省による「ノーマライゼーションの理念(障害の有無に関わらず互いに支え合い、地域で豊かに暮らせる社会を目指す)」に基づき策定されています。

障害の有無による差別なく、個々人が自由になりたい職業を目指せる社会であれば、社会参加できる人数も増え、最終的に日本全体が活気づくでしょう。

令和6年4月からは、民間企業に課せられる障害者の法廷雇用率が「2.3%から2.5%に引き上げられる」ということからも、日本が障害者雇用に力を入れて、誰もが豊かに暮らせる国づくりを目指していることがわかります。

障害者正社員化コースに関するよくある質問

最後に、障害者正社員化コースに関するよくある質問を紹介します。

支給対象となる労働者数に上限はある?

いいえ。キャリアアップ助成金(障害者正社員化コース)では、支給対象となる労働者数に上限はありません。

対象労働者を休業させた場合、キャリアアップ助成金(障害者正社員化コース)と雇用調整助成金は両方受けられる?

はい。キャリアアップ助成金(障害者正社員化コース)は雇用調整助成金と併給することができます。

キャリアアップ助成金(正社員化コース)と同じように、有期雇用労働者を正規雇用又は無期雇用労働者に転換する場合、雇用された期間が通算して3年以下でないと対象にならない?

いいえ。キャリアアップ助成金(障害者正社員化コース)では、そのような要件はございません。有期雇用労働者として雇用された期間が、通算して3年を超える方に対して転換措置を実施した場合でも、支給対象となります。


出典:厚生労働省 愛知労働局

まとめ

障害者雇用の促進は、日本全体が豊かになるために必要な重要施策のひとつです。誰もが自分の希望する職場で働けるようになれば、社会参加できる人の数も増えて日本が活気付くきっかけにもなります。

人件費などの資金面が不安で、障害者雇用を促進できていない企業は、ぜひキャリアアップ助成金(障害者正社員化コース)を活用して、障害者の社会参加を促せる環境を整えましょう。

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