![image](https://assets.hojyokin-portal.jp/tbl_article/2/rsze0pc227x1g6ARmIE1Y4RBs8sEb6hRi8qZMmQa.png)
2050年のカーボンニュートラル達成に向け、脱炭素を目指す取組が注目を集めています。環境省は企業の脱炭素機器の使用を促進するため、ESGリース促進事業を設置しました。ESGとはEnvironment(環境)・Social(社会)・Governance(ガバナンス)の3つの英単語の頭文字で、環境や社会に配慮した企業経営を指す言葉です。
今回はESGリース促進事業の内容や申請方法について、お伝えします。
▼▼▼日々配信中!無料メルマガ登録はこちら▼▼▼
メルマガ会員登録する
![補助金コモン](https://assets.hojyokin-portal.jp/ad_banner_details/0/LQuiZaUMP41fm1WoIFySytTd6rMdW0CcPWirDooL.png)
この記事の目次
ESGリース促進事業とは
ESGリース促進事業とは、脱炭素機器のリースを支援する補助事業です。脱炭素機器の普及を促進し、地球環境の保全に資することを目的としています。
まずはESGリース促進事業の概要について、見ていきましょう。
補助内容
脱炭素機器のリース料低減を通じてESG要素を考慮した取組を促進します。サプライチェーン全体での脱炭素化に貢献する中小企業等が支援の対象です。
対象となるリース先
対象となるリース先の要件は、以下の①~➂です。
①個人事業主または中小企業等であること
②政府機関、地方公共団体またはこれに準ずる機関でないこと
➂以下に該当すること
■ESG要素を考慮した取組(適格要件)
・サプライチェーン全体として脱炭素化に向けた取組が行われ、大企業等からの要請、支援を受け、脱炭素化の取組を行っている
・脱炭素化に向けた自主目標の達成を目指し、サプライチェーンの脱炭素化に自主的に貢献している
■ESG要素の優良な取組(加点要件)
・サプライチェーン全体でパリ協定の達成に向けた脱炭素化の目標を設定し、その達成に向けて取組を行っている
・中小企業版 SBT、RE Action 等のパリ協定に整合する目標を設定し、その達成に向けた取組を行う等、自主的に脱炭素化に貢献している
対象となるリース契約
対象となるリース契約の要件は、以下のとおりです。
- 環境省が定める基準を満たす脱炭素機器に係る契約である
- 原則として、リース期間中の途中解約・解除ができない契約である
- オペレーティングリースを除くリース取引である
- 原則として、リース期間が3年以上かつ法定耐用年数の70%以上の契約である
- 日本国内に脱炭素機器を設置する契約である
- 中古品のリース契約でないこと
- 脱炭素リース信用保険制度を除く、国によるほかの補助金を受けた契約でないこと
- リース料の総額が65万円以上、2億円以内である
ESGリース補助金で導入できる設備とは
対象となる脱炭素機器は、以下のとおりです。
対象となる脱炭素機器 |
業務部門 熱源設備、厨房用設備、空調用設備、業務用冷凍冷蔵設備、医療画像機器、分析機器 |
産業部門 建設機械、工業炉、鋳造機械、省エネ型ダイカストマシン、エネルギー変換設備、工作機械、鍛圧機械、射出成形機 |
運輸部門 電気自動車、燃料電池自動車 |
なお、熱源設備のうち、高効率蒸気ボイラおよび高効率温水ボイラの都市ガス、LP ガス以外は対象外です。
また、「電気自動車」とは、搭載された電池で駆動される電動機のみを原動機とする以下の車両を指します。
- 車検証の交付を受けた自動車側車付二輪自動車
- 原動機付自転車
- 軽自動車に該当する二輪自動車
優良取組認定制度
指定リース事業者のうち、ESGリース促進事業に関連した顕著な実績や取組を行っている事業者には、環境大臣より「優良取組認定事業者」として認定されます。令和5年度には、11の事業者が優良取組認定事業者に認定されました。
ESGリース補助金の補助率・補助上限額
基準を満たした脱炭素機器をリースした場合、総リース料の4%以下の補助金がリース事業者に交付されます。さらに指定リース事業者とリース先のいずれかが「特に優良な取組」を行う業者であれば1%の上乗せ、さらに両方が該当する場合は「極めて先進的な取組」として、基準補助率に2%の上乗せがあります。
補助率のイメージは、以下の図も参照してください。
出典:脱炭素社会の構築に向けたESGリース促進事業 補助金制度のご案内
ESGリース補助金はいつまで
ESGリース促進事業の受付期限は、以下のとおりです。
【補助金交付申請書類受付期限】
令和6年(2024年)3月15日
また補助金実績報告書類は令和6年3月19日までに提出する必要があります。実績報告書を提出した日によって、補助金の交付日が異なります。
令和5年(2023年)12月以降の、指定リース事業者への補助金の各交付日程は以下の通りです。
実績報告書の提出日 | 補助金額の確定日 | 補助金交付日 |
~令和5年12月15日 | ~令和5年12月19日 | ~令和6年1月31日 |
~令和6年3月19日 | ~令和6年3月19日 | ~令和6年3月28日 |
上記の受付期間を過ぎた提出書類については、原則として受け付けられません。
なお、令和5年12月22日現在の補助金残高は、3億438万9,718円です。
ESGリース補助金の申請方法
補助金申請は、環境省から指定を受けた指定リース事業者が行います。リース先事業者は、補助金申請の手続きは必要ありません。ただし、ESG要素取組方針の証憑を提出する必要があります。
手続きの流れや申請に必要な書類を確認していきましょう。
申請方法
申請・報告は、jGrantsで行います。
申請の取り下げや変更、機構からの通知もjGrantsを通じて行われます。
手続きの流れ
手続き全体の流れは、以下のとおりです。
①利用申込書類提出 |
②補助金の交付申請 |
➂補助金の交付決定 |
④実績報告 |
⑤補助金額の確定・交付 |
指定リース事業者は主な手続きを行い、交付金を受け取ります。リース先企業リース事業者より、リース料低減として支援を受け取る仕組みです。
事業の全体イメージは、以下の図も参照してください。
出典:脱炭素社会の構築に向けたESGリース促進事業 補助金制度のご案内
必要な書類
ESGリース促進事業では、申請時と報告時にそれぞれ書類を提出する必要があります。各必要書類は、以下のとおりです。
①補助金交付申請書
■リース契約書の写し
■特約・覚書等の写し
リース先のリース料低減につながっている旨の特約が締結されている契約であることが必要です。
■対象機器の見積書の写し
■ESGリース促進事業補助金利用申込書の写し
■導入機器の基準適合チェックシートの写し
■導入機器の基準適合確認の際に使用した資料の写し
【補助対象機器が複数台あり、かつ補助金交付申請書の対象機器欄に複数行入力する場合】
機器別取得価格、リース総額の計算根拠資料の写し
【補助金対象外費用を含むリース契約の場合】
補助金対象外費用の計算根拠資料の写し
■適格要件等や契約先のESG要素を考慮した取組方針が確認できる資料
■リースバック取引の場合は、3ヵ月以内の取引とわかる証憑
②補助金実績報告書
■借受証または検収調書、これに類する書類の写し
注意事項
補助金の申請・交付における注意事項は、以下のとおりです。
注意事項 |
---|
①指定リース事業者は、以下の事由が発生する場合は、速やかにリース契約変更届を環境金融支援機構に提出する必要があります。 ・リース契約の要件を満たさなくなった場合 ・リース契約期限の利益を喪失した場合 ・リース契約を合意解約した場合 ・その他、補助金交付後リース契約の内容変更が生じた場合 ②補助金は指定リース事業者に交付されますが、リース契約時に補助金全額をリース料低減に充当するという内容の特約等を交わすことが条件となります。 ➂本制度では導入機器によるCO₂削減量等のモニタリング報告は必要ありません。 |
まとめ
企業における環境問題への態度は、社会的評価に影響を及ぼします。いっぽうで、新たな設備の導入は費用的な問題が大きいのも事実です。不安定な社会情勢が続く昨今では、環境に配慮した設備導入の余裕がない企業が多くあります。
ESGリース促進事業はリース業界のESGを推進するだけでなく、リース先の機器選択時においても、環境への配慮を促す取組です。ESGリース促進事業を上手に活用し、企業の環境問題への取組を見直す機会にしてください。