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高年齢求職者給付金とは?求職中の高齢者が受け取れる失業給付金・65歳以上の受給条件・計算方法・申請方法

公開日:2025/10/29 更新日:2026/5/1
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高年齢求職者給付金とは、65歳以上の雇用保険被保険者を対象にした一時金です。本給付金は、就労意欲があるにも関わらず、一時的に失業した場合、求職中の生活を支えるための制度です。

高年齢求職者給付金は年金との併給が可能で、被保険者期間に応じて30日分または50日分が支給されます。

令和7年4月からは自己都合退職の給付制限期間が原則1か月に短縮され、また令和7年8月には基本手当日額の上限・下限が改定されるなど、雇用保険制度にはさまざまな変更がありました。こうした最新の制度改正を踏まえ、高年齢求職者給付金の受給要件や支給額、申請方法をまとめました。計算方法や受給額のシミュレーションもご紹介しますので、ご自身の受給額計算やイメージにお役立てください。

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この記事の目次

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高年齢求職者給付金とは

高年齢求職者給付金は、65歳以上で雇用保険の「高年齢被保険者」であった人が失業した場合に支給される手当です。いわば、65歳以上の方のための失業手当ともいえる制度です。ここでは、高年齢求職者給付金の対象者や受給できないケースをご紹介します。

高年齢求職者給付金の対象者

高年齢求職者給付金の支給を受けるには、次の要件をすべて満たしている必要があります。

①離職の日以前1年間に、被保険者期間が通算して6か月以上あること
雇用保険の被保険者であった期間のうち、賃金支払いの基礎となった日数が11日以上ある月を1か月と計算します。なお6か月に満たない場合は、賃金の支払の基礎となった時間数が80時間以上の月を1か月として計算します。

②失業の状態にあること
離職し、「就職したいという積極的な意思といつでも就職できる能力があり、積極的に求職活動を行っているにもかかわらず、就職できない状態」が対象です。

つまり「一定期間以上の被保険者であった高齢者が、なんらかの理由で一時的に離職し、さらに今後も就業意欲がある場合」が対象となります。

70歳以上でも受給できる?年齢上限はある?

「70歳以上の失業保険はいくらもらえる?」「雇用保険 70歳以上 退職 一時金」という検索が非常に多く寄せられています。高年齢求職者給付金は、65歳以上であれば70歳・80歳でも年齢の上限がなく、要件を満たせば受給できます。また受給回数にも制限はなく、離職と再就職を繰り返した場合でも、そのつど要件を満たせば給付を受け取ることができます。

70歳以上の方も、①離職日以前1年間に被保険者期間が通算6か月以上ある、②失業の状態にある(就職の意思・能力がある)という2つの要件を満たせば、65歳以上と同様に30日分または50日分の給付金を一括で受け取れます。なお、給付率の計算上は「離職時の年齢が29歳以下」の数字を適用する点は70歳以上でも変わりません。

高年齢求職者給付金を受給できないケース

以下の場合は就職する意思・能力がないものと判断されます。

  • 家事や学業に専念する
  • 家業に従事し職業に就くことができない
  • 自営を開始、または自営準備に専念する
  • 次の就職が決まっている
  • 雇用保険の被保険者とならないような短時間就労のみを希望する
  • 自分の名義で事業を営んでいる
  • 会社の役員などに就任している方
  • 同一事業所で就職、離職を繰り返し、再び同一事業所に就職の予定がある

このような状況に該当する方は、失業状態とは認められず、高年齢求職者給付金の支給を受けることができません。

「求職活動をしなくてももらえる?」「再就職しなくてももらえる?」

「高年齢求職者給付金は再就職しなくてももらえる?」「求職活動しない場合はどうなる?」という検索が非常に多く寄せられています。

結論からいうと、高年齢求職者給付金は「再就職すること」が受給要件ではありません。ただし、「就職したいという積極的な意思があり、いつでも就職できる能力があり、求職活動を行っているにもかかわらず就職できない状態」=失業の状態にあることが必要です。

つまり、実際に再就職しなくても受給できますが、求職活動そのものは必要です。「もう働く気はない」「再就職するつもりはない」という場合は対象外になります。求職活動の実績を作った上でハローワークで失業の認定を受ければ、再就職先が決まらなくても一括で給付金を受け取れます。

高年齢求職者給付金と失業手当は一緒に受けられない

高年齢求職者給付と失業手当を両方受け取ることはできません。雇用保険において、65歳以上の労働者は「高年齢被保険者」として、雇用保険の適用対象です。そのため、一般の雇用保険被保険者とは区別されています。65歳以上で離職する場合の給付金は、失業手当ではなく高年齢求職者給付が該当します。

特例一時金との違いは?

「高年齢求職者給付金 特例一時金」という検索もよく見られます。特例一時金は、季節的に雇用される方(短期雇用特例被保険者)が離職した際に受け取れる一時金です。高年齢求職者給付金とは別の制度で、対象者・支給額・算定方法が異なります。

【高年齢求職者給付金と特例一時金の主な違い】
項目高年齢求職者給付金特例一時金
対象者65歳以上の高年齢被保険者短期雇用特例被保険者(季節労働者等)
支給額基本手当日額×30日または50日基本手当日額×40日(一般は30日)
年齢要件65歳以上年齢制限なし
65歳以上の短期雇用特例被保険者が離職した場合は、高年齢求職者給付金の対象となります。

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高年齢求職者給付金の受給額はいくら?計算方法とシミュレーション

高年齢求職者給付の受給額は、基本手当日額(退職前6か月の賃金合計÷180×給付率)に雇用保険加入期間に応じた給付日数を乗じて計算します。そのため、受け取っていた賃金や雇用保険へ加入している期間によって受給額が異なるのです。

基本手当日額と給付率の見方

基本手当日額とは、1日あたりに受け取れる給付額のことです。基本手当日額は以下の計算式にあてはめます。

基本手当日額=賃金日額(退職前6か月の賃金合計÷180)×給付率

基本手当日額の計算で必要な「賃金日額」とは、退職直前6か月の賃金合計を180で割った金額です。これには手当を含めた総支給額が該当しますが、賞与や臨時に支給された金額は含みません。

給付率は、賃金日額によって異なります。「高年齢求職者給付金 給付率」は多く検索されるポイントです。以下の表で該当するものを確認してください。

賃金日額と給付率の関係(令和7年8月1日~)
賃金日額給付率基本手当日額
3,014円以上 5,340円未満80%2,411円~4,271円
5,340円以上 13,140円以下80~50%4,272円~6,570円
13,140円超 14,510円以下50%6,570円~7,255円
14,510円(上限額)超7,255円(上限額)

特に、賃金日額の部分では、「以上」や「未満」に注意して、該当する給付率を確認しましょう。

基本手当日額はさまざまな給付金計算で使われます。離職時の年齢によって額の根拠となる数字が異なりますが、高年齢求職者給付金を受給する場合は、「離職時の年齢が29歳以下」の数字を適用する点にご注意ください。また、雇用保険の基本手当日額は原則毎年8月1日に改定される点も理解しておきましょう。

参考:雇用保険の基本手当日額の変更~令和7年8月1日(金)から開始~(厚生労働省)

雇用保険の加入期間に応じた給付日数

高年齢求職者給付金は、雇用保険の加入期間に応じて、以下の給付日数で支給されます。

被保険者期間と給付日数
被保険者期間が1年未満30日
被保険者期間が1年以上50日

高年齢求職者給付の受給額

基本手当日額と給付日数が算出できたら、以下の式にあてはめて高年齢求職者給付の受給額を算出します。

高年齢求職者給付の受給額=基本手当日額×給付日数

高年齢求職者給付金は、離職日の翌日から1年(受給期間内)に、「失業の状態である」と確認されれば、被保険者期間(被保険者として雇用された期間)に応じて定められた給付日数が一括して支給されます。

ただし、失業の状態が確認された日から受給期間の末日までの日数が支給日数に満たないときは、その日数分しか支給されないためご注意ください。手続きが遅れると、受給できる金額が減ってしまう可能性があります。

月収別・受給目安額シミュレーション

退職前の月収・雇用保険加入期間別の受給目安を以下の表で確認できます(令和7年8月1日改定後の上限額を適用)。


月収(賞与除く)賃金日額目安給付率目安1年未満(30日)1年以上(50日)
10万円約3,333円80%約79,992円約133,320円
15万円約5,000円80%約120,000円約200,000円
20万円約6,667円約72%約144,007円約240,012円
25万円約8,333円約63%約157,493円約262,488円
30万円以上約10,000円〜50〜63%上限7,255円×30日=217,650円上限7,255円×50日=362,750円

※月収が高い場合、基本手当日額の上限(7,255円)が適用されます。あくまで目安です。実際の金額はハローワークの審査結果によります。


高年齢求職者給付金の受給額シミュレーション

高年齢求職者給付金は、賃金や雇用保険加入期間によって受給額が異なることがわかりました。そこで、具体的な受給額をイメージしやすくするための計算例をご紹介します。

シミュレーション①Aさんの場合

雇用保険に1年6か月以上加入していたAさんの高年齢求職者給付金を計算します。

  • 退職時の年齢=67歳
  • 雇用保険加入期間=1年6か月以上
  • 退職前の月給=150,000円
Aさんの計算例
賃金日額150,000×6÷180=5,000円
給付率80%
支給日数50日
高年齢求職者給付金賃金日額(5,000円)×0.8×50日=200,000円

シミュレーション②Bさんの場合

雇用保険に11か月加入していたBさんの高年齢求職者給付金を計算します。

  • 退職時の年齢=70歳
  • 雇用保険加入期間=1年未満(11か月)
  • 退職前の月給=120,000円
賃金日額120,000×6÷180=4,000円
給付率80%
支給日数30日
高年齢求職者給付金賃金日額(4,000円)×0.8×30日=96,000円

高年齢求職者給付金は、賃金日額と雇用保険加入期間がわかれば簡単に計算できます。

高年齢求職者給付金の申請手続きや受け取り方

高年齢求職者給付金を受け取るためには、お住まいの地域を管轄するハローワークで求職の申込みをしたうえで必要書類を提出します。

必要書類
・離職票-1、離職票-2
・マイナンバーカード(ない場合は、「個人番号確認書類」と「身元(実在)確認書類」の両方が必要)
・写真
・本人名義の預金通帳またはキャッシュカード

高年齢求職者給付金は、失業の認定日の約7日後に、本人の希望する金融機関へ振込まれます。このため、離職票-1の「求職者給付等払渡希望金融機関指定届」で、払込先の金融機関を届出する必要があるのです。

ただし、「離職票-1」の備考欄に支払方法口座、金融機関名がアスタリスク(*)で印字されている方は、以前に雇用保険給付関係の利用時に登録があるため、「求職者給付等払渡希望金融機関指定届」は必要ありません。

なお、同一都道府県内の別のハローワークで就職活動を行い、その管轄地域への就職を希望する場合は、ハローワークで相談してください。また、船員での就職を希望される場合は、地方運輸局での求職申し込みを行います。

再就職手当の支給要件と計算方法 いつもらえるのか解説

定年退職の場合の注意点

「定年退職 失業保険 65歳以上」「定年退職後の手続き」という検索も多くあります。定年退職の場合、離職理由は原則「自己都合」ではなく「定年退職」として扱われます。

【65歳定年退職の場合のポイント】
  • 定年退職は自己都合退職とは異なり、給付制限期間(1か月)が適用されません。待期期間(7日間)のみ経過すれば給付の対象となります。
  • 65歳の誕生日前々日以前に退職した場合は一般の失業手当(基本手当)の対象になりますが、65歳の誕生日前日以降に退職した場合は高年齢求職者給付金の対象となります。
  • 退職日が1日異なるだけで適用される制度が変わるため、退職日と誕生日の関係を事前に確認することが重要です。

高年齢求職者給付における待期と給付制限

高年齢求職者給付金は、ハローワークまたは地方運輸局に離職票の提出と求職の申し込みを行った日から、失業の状態にあった日が7日間経過してからでなければ支給されません。これを待期といいます。

ただし、自己都合で退職した場合は、さらに一定期間が経過するまで、高年齢求職者給付金が支給されません。これを給付制限といいます。

令和7年4月1日以降に退職した場合の給付制限は、以下のとおりです。

給付制限の期間(令和7年4月1日以降に退職した場合)
正当な理由がなく自己都合による退職原則1か月(ただし、退職日から遡って5年間のうちに2回以上正当な理由なく自己都合退職し受給資格決定を受けた場合は3か月)
自己の責めに帰すべき重大な理由による解雇3か月
なお、令和7年3月31日以前に退職した場合は、自己都合退職の給付制限期間が原則2か月(5年間のうち3回以上の場合は3か月)です。退職日によって適用されるルールが異なるため、ご注意ください。

参考:『雇用保険の高年齢求職者給付金を受けようとする方へ…』ハローワーク(公共職業安定所)・長野労働局

手続きのタイミングと注意点

高年齢求職者給付金の振込は、失業認定日の約7日後です。土日祝日などにより金融機関の休日がある場合は、その日数分だけ遅れて入金される点にご注意ください。

受給期限は離職日の翌日から1年間と決まっているため、手続きが遅れた場合は受給期限後の給付金は支給されません。

高年齢求職者給付金のスケジュール図
出典:離職されたみなさまへ<高年齢求職者給付金のご案内>

高年齢求職者給付金と年金の関係(併給)

【65歳前後の年金と失業給付の関係まとめ】
対象年齢適用される給付年金との関係
65歳未満で離職失業手当(基本手当)老齢厚生年金が全額停止。失業手当受給期間中は年金を受け取れない
65歳以上で離職高年齢求職者給付金年金と併給できる。両方を全額受け取れる

65歳以上で退職する際の高年齢求職者給付の場合、年金との併給が可能です。どちらかが調整されることもなく、全額受け取れるため、ご安心ください。

年金生活者支援給付金とは?対象者と受給方法を解説

高年齢求職者給付と失業保険どちらが得?

高年齢求職者給付失業手当
給付日数30日もしくは50日90日~360日(一般的な定年退職・加入期間20年以上の場合は150日)
年金併給できるできない(年金が停止)
支給回数一括分割(4週間ごと)

参考:「基本手当の所定給付日数」ハローワークインターネットサービス

高年齢求職者給付を受け取る方が得になる人

  • 退職日が65歳誕生日の前日以降
  • 老齢厚生年金の受け取り額が高い人

失業手当を受け取る方が得になる人

  • 退職日が65歳誕生日の前々日以前
  • 老齢厚生年金の停止額以上に失業手当が高い人

失業手当は、受給資格のある方が65歳の誕生日前々日までに退職すれば、65歳を過ぎても最大300日を超えて失業手当を受給できます。失業手当受給中は、老齢厚生年金の支給が停止されますが、給付日数が長いため、最終的な受給総額が大きくなることがあります。

退職給付金まとめ|退職時に使える主な給付金・手当一覧

退職する際には、高年齢求職者給付金だけでなく、様々な給付金や手当を活用できる可能性があります。ここでは、退職時に受け取れる可能性のある主な給付金・手当を年齢や状況別に整理します。

【退職時に活用できる主な給付金・手当(年齢・状況別)】
制度名対象支給額の目安主な特徴
高年齢求職者給付金
(本記事)
65歳以上で離職した雇用保険加入者基本手当日額×30日または50日
(最大約362,750円)
年金と併給可能。一括支給。受給期限は離職日翌日から1年
失業手当(基本手当)65歳未満で離職した雇用保険加入者基本手当日額×90〜360日
(離職理由・加入年数による)
年金との併給不可(年金停止)。4週間ごとの分割支給
再就職手当失業手当の受給資格があり早期に再就職した人支給残日数の60〜70%相当額早く再就職するほど給付額が多くなる。65歳以上は高年齢求職者給付金の残日数が対象
高年齢再就職給付金60〜64歳で再就職後に賃金が低下した人再就職後賃金の最大15%相当額(最大2年間)失業手当の受給残日数が100日以上あることが条件。賃金の低下率に応じて支給額が変わる
特例一時金短期雇用特例被保険者(季節労働者等)が離職した場合基本手当日額×40日(または30日)季節労働者向け。65歳以上は高年齢求職者給付金が優先適用
傷病手当(雇用保険)失業手当の受給資格者が病気・ケガで求職活動できない場合基本手当日額と同額求職活動ができない期間中の生活を支援。健康保険の傷病手当金とは別の制度
就業促進定着手当再就職手当を受給後、前職より賃金が低くなった人賃金低下分×再就職手当支給残日数(上限あり)再就職手当の受給者で、6か月以上同じ会社に勤めた後に申請可能
年金生活者支援給付金年金受給者で低所得・住民税非課税の方月額約5,310円〜(種類・加入期間により異なる)老齢・障害・遺族の各給付金がある。退職後に年金を受け取り始めた方も対象になる場合がある

退職時に確認すべき手続きの流れ

退職後に受け取れる給付金を漏れなく活用するためには、適切なタイミングで手続きを行うことが重要です。

【退職後の主な手続き確認チェックリスト】
  • 離職票の受け取り:退職後10〜14日以内に会社から発行される。ハローワークへの申請に必要
  • ハローワークへの申請:失業手当・高年齢求職者給付金ともに、離職票を持参してハローワークで求職申し込みを行う
  • 受給期限の確認:高年齢求職者給付金の受給期限は離職日の翌日から1年間。手続きが遅れると受給額が減少する
  • 年金との関係確認:65歳以上→高年齢求職者給付金(年金と併給可)。65歳未満→失業手当(年金が停止)
  • 再就職した場合は再就職手当の申請:早期再就職のメリットが大きいため、就職が決まったらすぐに申請する
  • 住民税非課税世帯への該当確認:退職により収入が大幅に減った場合、各種給付金の対象になる可能性がある

高年齢求職者給付金と年金生活者支援給付金の組み合わせ

65歳以上で退職した場合、高年齢求職者給付金と老齢年金を併給できます。さらに、低所得の年金受給者の方は「年金生活者支援給付金」(月額約5,310円〜)も受け取れる場合があります。退職後の収入が低下した場合は、複数の制度を組み合わせて生活を支えることができます。

参考:年金生活者支援給付金とは?対象者と受給方法を解説


高年齢求職者給付金に関するよくある質問

高年齢求職者給付金に関して、よくある質問と回答をまとめました。


再就職しなくてももらえる?


高年齢求職者給付金は「再就職すること」が受給要件ではないため、実際に再就職しなくても受給できます。ただし、受給には「就職したいという意思があり、求職活動を行っているにもかかわらず就職できない状態(失業の状態)」にあることが必要です。「もう働く気はない」という場合は対象外となります。




自己都合で退職してももらえる?


高年齢求職者給付金は、自己都合退職の場合も対象となります。ただし、ハローワーク等に離職票の提出と求職の申し込みを行った後、7日間の待期期間と、原則1か月の給付制限期間(令和7年4月1日以降に退職した場合)を経過しなければ支給は開始されません。なお、退職日から遡って5年間のうちに2回以上正当な理由なく自己都合退職し受給資格決定を受けた場合は、給付制限期間が3か月となります。




高年齢求職者給付金と失業保険(基本手当)の違いは?


高年齢求職者給付金と失業保険(基本手当)の主な違いは、対象年齢、給付資格、支給日数、年金との併給の可否にあります。高年齢求職者給付金は65歳以上で離職した方が対象で、1年間に6か月以上の被保険者期間が必要です。支給日数は30日分または50日分で、年金との併給が可能です。一方、失業保険(基本手当)は65歳未満で離職した方が対象で、2年間に12か月以上の被保険者期間が必要です。支給日数は90日~360日の範囲で、年金との併給はできません。申請者が選択するのではなく、年齢によって適用される制度が決まります。




高年齢求職者給付金はいくらもらえる?


高年齢求職者給付金の支給額は「基本手当日額×給付日数(30日または50日)」で計算されます。基本手当日額は退職前6か月の賃金を基に算出されるため、人によって異なります。たとえば、退職前の月給が15万円で雇用保険加入期間が1年以上の場合は約20万円、月給12万円で加入期間が1年未満の場合は約9.6万円です。基本手当日額の上限は7,255円(令和7年8月1日~)のため、最大でも362,750円(50日分の場合)が上限となります。




70歳以上でも高年齢求職者給付金をもらえる?


はい、70歳以上でも受給できます。高年齢求職者給付金には年齢の上限がなく、65歳以上であれば70歳・80歳でも要件を満たすかぎり受給できます。また受給回数にも制限がないため、離職と再就職を繰り返した場合でも、そのつど要件を満たせば給付を受け取れます。




高年齢求職者給付金はいつ振り込まれる?


高年齢求職者給付金は、ハローワークで失業の認定を受けた日から約7日後に、届出した金融機関口座へ振り込まれます。土日祝日を挟む場合はその分だけ遅れることがあります。失業手当のように4週間ごとの分割支給ではなく、一括で支給される点が特徴です。




高年齢求職者給付金を受けると年金は停止される?


高年齢求職者給付金を受給しても、老齢年金は停止されません。65歳未満の方が受給する基本手当(失業手当)は老齢厚生年金と併給できませんが、高年齢求職者給付金は年金との併給が認められています。どちらも減額されず、全額受け取ることが可能です。




高年齢求職者給付金に税金はかかる?


高年齢求職者給付金は非課税所得です(雇用保険法第12条)。そのため、受給しても所得税や住民税はかかりません。確定申告や年末調整の際に収入として申告する必要もなく、国民健康保険料の算定にも影響しません。




パート・アルバイトでも高年齢求職者給付金はもらえる?


雇用保険に加入していたパート・アルバイトの方であれば、高年齢求職者給付金を受給できます。週20時間以上の所定労働時間があり、31日以上の雇用見込みがある場合は雇用保険の加入対象です。離職の日以前1年間に被保険者期間が通算6か月以上あり、失業状態にあるなど、一般の受給要件を満たすことが必要です。




高年齢求職者給付金の受給期限はいつまで?


高年齢求職者給付金の受給期限は、離職日の翌日から1年間です。この期間を過ぎると、たとえ要件を満たしていても給付を受け取ることができなくなります。待期期間(7日間)や給付制限期間を考慮すると、手続きが遅れるほど受給できる金額が減る可能性があるため、早めにハローワークで手続きすることが重要です。




定年退職の場合、給付制限はかかる?


定年退職は自己都合退職とは異なる扱いになるため、給付制限期間(1か月)は原則適用されません。待期期間(7日間)のみ経過すれば支給が始まります。なお、65歳の誕生日前日以降に退職した場合は高年齢求職者給付金が適用されます。65歳誕生日前々日以前の退職では一般の失業手当(基本手当)が適用されるため、退職日と誕生日の関係を事前に確認することが重要です。



まとめ

高年齢求職者給付金は、65歳以上(70歳以上も含む)で離職した方が、再就職活動中の生活を支えるために受給できる給付金です。ただし、待期期間または給付制限期間が経過した後の支給となります。

令和7年4月1日以降の退職では、自己都合退職の給付制限期間が原則1か月に短縮されました。また、令和7年8月1日の改定により基本手当日額の上限・下限も引き上げられています。

受給のポイントを整理します。

  • 年齢上限なし:65歳以上であれば70歳・80歳でも受給可能。受給回数の制限もなし
  • 年金との併給可能:65歳未満の失業手当と異なり、老齢年金を受け取りながら同時受給できる
  • 再就職は必須ではない:再就職しなくても受給可能。ただし求職活動の意思・実績は必要
  • 定年退職は給付制限なし:自己都合退職と異なり、待期期間7日間のみで支給開始
  • 受給期限は1年間:離職日の翌日から1年以内に手続きが必要。遅れると受給額が減少
  • 退職給付金の活用:高年齢求職者給付金のほか、再就職手当・年金生活者支援給付金なども組み合わせて活用できる

まだまだ働く意欲のある高齢者の活躍は、社会にとっても大きな利益となります。高年齢求職者給付金を活用し、これからも生き生きと働ける再就職先を見つけてください。

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