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雇用就農資金とは?次世代の農業経営者育成を支援!最大2年間の人件費や住居費等を助成します

公開日:2024/4/22 更新日:2026/5/19
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農業分野では、経営者の高齢化と後継者不足が深刻な課題となっています。農林水産省の調査によると、農業従事者の平均年齢は68歳を超え、今後10年で大幅な担い手不足が懸念されています。こうした背景から、次世代の農業経営者を計画的に育成する取り組みが急務とされています。

そこで活用したいのが「雇用就農資金(次世代経営者育成タイプ)」です。本制度は、農業法人等が後継者や幹部候補を他の法人に派遣して経営ノウハウを学ばせる際の費用を、年間最大120万円まで助成します。後継者育成に課題を感じている農業法人・家族経営農家の方はぜひ参考にしてください。

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農家のための農業補助金ガイド!申請できる補助金と活用方法

この記事の目次

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雇用就農資金(次世代経営者育成タイプ)とは?

「雇用就農資金(次世代経営者育成タイプ)」は、一般社団法人全国農業会議所が農林水産省の委託を受けて実施する助成金制度です。農業法人等が次世代の経営者を育成するため、職員や後継者を国内外の先進的な農業法人や異業種の法人に派遣して行う現場実践研修(OJT)に対し、代替職員の人件費・派遣研修経費を助成します。

農業法人の後継者不足・経営者育成という課題に対して、「外で学ばせる機会」を費用面から支援する制度です。派遣先は農業法人だけでなく、異業種の法人も対象となるため、農業経営に役立つ幅広い経営ノウハウや技術を習得できる点が特徴です。

なお、本制度は雇用就農資金全体の一タイプです。雇用就農資金には以下の3つのタイプがあります。

雇用就農資金の3つのタイプ
タイプ対象助成額
(1)雇用就農者育成・独立支援タイプ50歳未満の就農希望者を新規雇用して研修を実施する農業法人等年最大60万円(最長4年間)
(2)新法人設立支援タイプ新たな農業法人の設立を目指す49歳以下の就農希望者を雇用する農業法人等年最大120万円(3年目以降は年最大60万円、最長4年間)
(3)次世代経営者育成タイプ職員・後継者を他法人に派遣して現場実践研修を実施する農業法人等年最大120万円(最長2年間)

本記事では、(3)次世代経営者育成タイプを詳しく解説します。

派遣研修のイメージ

雇用就農資金 次世代経営者育成タイプの派遣研修イメージ図
出典:農業をはじめる.JP

本タイプでは、「次世代の経営者を育てたい農業法人」や「家族経営の農業者」が、経営に参画させる予定の職員や後継者を他の法人で研修させ、経営ノウハウや技術を学ばせます。研修は複数の法人で数か月ずつ実施したり、農閑期を利用して実施したりすることも可能です。

助成対象・助成額

助成対象経費と助成額

派遣元農業法人等の役員・正社員、または家族経営で既に経営に参画している後継者を派遣受入法人へ派遣し、現場実践研修(OJT)を実施する取組が助成の対象です。ただし、代表者の研修は対象外となります。

助成対象となる経費は以下の2種類です。

助成対象経費
①代替職員人件費派遣研修生の代替として、派遣研修開始1か月前以降に新たに雇用した職員の人件費(1人分に限る)
※派遣受入法人が当該人件費を全額負担する場合は助成対象外
②派遣研修経費転居に係る費用、住居費、通勤に係る交通費および研修負担金
【助成額・助成期間】

助成額:年間最大120万円(①②合わせて月額最大10万円)

助成期間:最短3か月〜最長2年間(24か月)

応募要件

「派遣元農業法人等」「派遣受入法人」「派遣職員(研修生)」それぞれの主な要件を解説します。

派遣元農業法人等の要件

派遣する職員を正職員として雇用していること、かつ研修終了後おおむね1年以内に役員または研修成果を活かした部門責任者等、経営の中核を担う役職に登用することを確約していること
(家族経営の場合は、経営を継承すること、または経営を法人化した上で役員等に登用することを確約すること)

派遣受入法人の要件

①次世代の経営者になるために必要な経営力等を習得させるための実践的な研修を行えること
②派遣元農業法人等と人材育成を目的とした契約を結び、受入研修生を労働者災害補償保険の社会保険に加入させること(雇用保険については派遣元および受入法人で協議の上、加入させること)

派遣職員(研修生)の要件

①派遣元農業法人等の役員ならびに正社員(代表者は除く)、または家族経営の後継者で既に就農し経営に参画していること
②派遣元農業法人等と受入法人の間で人材育成を目的とした契約を締結した時点において、原則として55歳未満であること
③研修終了後、派遣元農業法人等において経営の中核を担う意欲を有していること

募集期間・申請方法・必要書類

募集期間・申請スケジュール

【2026年度の募集情報】

次世代経営者育成タイプは2027年1月29日(金)まで随時募集中です。

申請日の翌々月から事業開始となります。

(例:5月中に申請 → 7月から事業開始)

助成開始時期の詳細は、各都道府県の農業会議等にお問い合わせください。

次世代経営者育成タイプの申請スケジュール
募集期間2027年1月29日(金)まで随時受付
申請先各都道府県農業会議等
事業開始申請日の翌々月から

事業の流れ

①契約の締結派遣元農業法人と派遣受入法人の間で人材育成に関する契約を締結する
②研修実施計画の申請募集要領・申請様式を確認のうえ、各都道府県農業会議等に申請書類を提出する
③審査・採択書類審査が行われ、採択結果が通知される
④職員の派遣・研修の実施派遣研修生を受入法人に派遣し、現場実践研修(OJT)を実施する
⑤研修実績報告・交付申請研修終了後、実績報告書と助成金交付申請書を提出する
⑥助成金の交付審査後、助成金が交付される

【事業スキーム】
雇用就農資金 次世代経営者育成タイプの事業スキーム図
出典:農業をはじめる.JP

申請に必要な書類・様式の入手方法

申請様式は、全国新規就農相談センターのホームページ(be-farmer.jp)または各都道府県の農業会議等から入手できます。

募集要領・チェックリスト全国新規就農相談センターHPよりダウンロード
申請様式(Word形式)同上(Wordが使えない場合はPDF版に手書き・農業会議等に郵送)

申請先・問い合わせ先

申請・相談は各都道府県の農業会議等が窓口となります。全国農業会議所(人材対策部)でもお問い合わせに対応しています。

全国農業会議所(人材対策部)

TEL:03-6265-6891

農林水産省 経営局 就農・女性課:03-6744-2160

活用事例

雇用就農資金(次世代経営者育成タイプ)では、2024年能登半島地震の被災農業法人等が従業員を他の法人に派遣する場合も支援されます。

雇用就農資金 次世代経営者育成タイプの被災農業法人の活用例を示した図
出典:農業をはじめる.JP

新たな会社精神の確立を目指して後継者を派遣した事例

創業50年を迎える農園が、後継者を土壌改良を行う企業へ派遣。研修生は木材チップ堆肥や微生物資材を活用した土壌改良を学び、農産物栽培への実証試験等を実施。研修後に同農園の取締役に就任し、創業者の理念を受け継ぎながら新たな会社精神の確立に取り組んでいる。

【派遣元農業法人のコメント】
経営者の右腕となる人材を長期にわたり外に出すことは痛手だったが、他企業での経験を通じて得たノウハウを今後は地域に還元していきたい。

【派遣研修生のコメント】
これまで感覚を頼りに堆肥生産を行っていたが、研修後は習得したノウハウを活かし、より品質の高い堆肥や新しい堆肥づくりに取り組んでいる。

【研修受入法人のコメント】
研修を通じ、企業が行う先駆的な取り組みを他の農家に普及することができた。また研修生への指導が自社の独自農法を他に伝えることの重要性を従業員が再確認する機会となった。

雇用就農資金(次世代経営者育成タイプ)に関するよくある質問

雇用就農資金(次世代経営者育成タイプ)とは何ですか?

農業法人等が次世代の経営者を育成するため、職員や後継者を国内外の先進的な農業法人や異業種の法人に派遣して現場実践研修(OJT)を行う際の費用を助成する制度です。代替職員の人件費と派遣研修経費を合わせて月額最大10万円、年間最大120万円が最長2年間助成されます。一般社団法人全国農業会議所が農林水産省の委託を受けて運営しています。

農業法人でなくても申請できますか?

はい、農業法人だけでなく家族経営の農業者も対象となります。家族経営で既に経営に参画している後継者であれば助成の対象です。ただし、家族経営の場合は、研修終了後に経営を継承するまたは法人化した上で後継者を役員等に登用することを確約する必要があります。

派遣先は農業法人に限られますか?

いいえ、農業法人以外の異業種の法人への派遣も対象となります。農業経営に役立つマーケティング・IT・加工・流通などの知識を異業種から学ぶことも助成対象です。派遣先は国内外どちらでも対応しています。

派遣する職員・後継者の年齢要件はありますか?

派遣元農業法人等と受入法人の間で人材育成を目的とした契約を締結した時点において、原則として55歳未満であることが要件です。また、研修終了後に経営の中核を担う強い意志を有していることも求められます。

代表者を研修に派遣しても助成されますか?

いいえ、代表者の研修は対象外となります。対象となるのは、派遣元農業法人等の役員(代表者を除く)や正社員、または家族経営の後継者で既に経営に参画している方です。

研修期間中に代替職員を雇用しなくても申請できますか?

はい、代替職員を雇用しない場合でも申請できます。その場合、②派遣研修経費(転居費用・住居費・交通費・研修負担金)のみが助成対象となります。代替職員を雇用した場合は①②両方が助成対象になります。ただし、派遣受入法人が代替職員人件費を全額負担する場合は、①は助成対象外となります。

2026年度の募集締め切りはいつですか?

次世代経営者育成タイプは、2027年1月29日(金)まで随時募集中です。申請日の翌々月から事業開始となります(例:11月申請→翌年1月から事業開始)。申請は各都道府県農業会議等に行ってください。

複数の法人で数か月ずつ研修を実施することはできますか?

はい、複数の法人で数か月ずつ研修を実施することも可能です。また、農閑期を活用して実施することもできます。研修は最短3か月から最長2年間(24か月)が助成期間となりますので、自社の農業カレンダーに合わせた計画を立てることができます。

研修終了後、役員等に登用できなかった場合はどうなりますか?

本制度の要件として「研修終了後おおむね1年以内に役員等に登用することを確約すること」があります。この要件を満たさない場合、採択が取り消される場合があります。また、条件付きで支払われた助成金がある場合は返還が求められることもあります。申請前に登用計画を具体的に検討しておくことが重要です。

雇用就農資金の他のタイプとの違いは何ですか?

雇用就農資金には3つのタイプがあります。①雇用就農者育成・独立支援タイプは、50歳未満の就農希望者を新規雇用して研修を行う農業法人等を支援します(年最大60万円・最長4年間)。②新法人設立支援タイプは、新たな農業法人設立を目指す49歳以下の希望者を雇用する場合を支援します(年最大120万円・最長4年間)。③次世代経営者育成タイプは既存の職員・後継者を他法人に派遣して研修させる場合を支援します(年最大120万円・最長2年間)。自社の課題に合ったタイプを選んで申請しましょう。


まとめ

農業法人や家族経営農家にとって、後継者・次世代経営者の育成は経営継続の要です。しかし、重要な人材を長期間外部研修に送り出すには、経営上の負担もあります。

雇用就農資金(次世代経営者育成タイプ)は、そうした課題に対し、年間最大120万円・最長2年間の助成で応える制度です。農業法人だけでなく異業種への派遣も可能で、経営・マーケティング・ITなど幅広いノウハウを習得させられる点が大きな強みです。

2026年度は2027年1月29日まで随時募集中です。申請から事業開始まで約2か月かかりますので、早めの準備と相談をおすすめします。

参考:農業をはじめる.JP 雇用就農資金(次世代経営者育成タイプ)

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