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各地の商店街では、後継者や新規開業者の減少が問題となっています。地域に根付いた事業と経済を支援するため、東京都では都内商店街での開業助成として、創業予定者や個人事業主など支援しています。
今回はそのうち、若手や女性起業家を対象とする「若手・女性リーダー応援プログラム助成事業」についてまとめました。本事業は、都内の商店街に初めての実店舗を構える予定の人に、ぜひ活用してほしい制度です。
申請方法や採用倍率も、あわせて見ていきましょう。
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この記事の目次
若手・女性リーダー応援プログラム助成事業とは
東京都の開業助成金は、都内商店街で、新たに開業する店舗の工事費等を助成する制度です。開業初期の費用負担軽減し、商店街の活性化を図ります。空き店舗等を有効活用し、地域の雇用を増やすことで、地域コミュニティの持続・発展させることが目的です。
まずは都内開業助成金の概要と、若手・女性リーダー応援プログラム助成事業の詳細を紹介します。
東京都 開業助成金の2つのコース
都内開業助成金には、「若手・女性リーダー応援プログラム助成事業」と「商店街企業・承継支援事業」の2つがあります。それぞれ対象者や助成額等が異なりますので、まずは各内容を確認しましょう。
【若手・女性リーダー応援プログラム助成事業】
若手・女性リーダー応援プログラム助成事業は、「年度末時点で39歳以下」もしくは「女性」であることが対象事業者の要件のひとつです。対象者を限定することで、商店街の活性化へより寄与すると期待されています。
また、令和6(2024)年度は助成金の最大限度額が844万円と、昨年度よりも高く設定されました。
そのほか、若手・女性リーダー応援プログラム助成事業の全体像は以下の図も参照してください。
出典:若手・女性リーダー応援プログラム助成事業 商店街起業・承継支援事業
【商店街企業・承継支援事業】
商店街企業・承継支援事業は、年齢や性別に関する要件のない支援です。法人も対象となります。
申請区分は「開業」のほか、「多角化」と「事業承継」があります。対象者の幅や申請区分の幅が広く、選択肢が多いのが特徴です。
助成限度額は694万円です。また、若手・女性リーダー応援プログラム助成事業との併願申請も可能です。
そのほか、商店街企業・承継支援事業の全体像は以下の図も参照してください。
出典:若手・女性リーダー応援プログラム助成事業 商店街起業・承継支援事業
若手・女性リーダー応援プログラム助成事業の助成額・限度額
では、ここから、若手・女性リーダー応援プログラム助成事業の詳細を確認していきましょう。本事業では、「事業所整備費」と「店舗賃借料」の2つが助成されます。
それぞれの助成内容や助成額、助成限度額は、以下のとおりです。
項目 | 内容 | 助成額 | 助成限度額 |
事業所整備費 | 店舗新装、改装工事費 | 3/4 | 400万円 |
設備、備品購入費 | |||
宣伝、広告費(上限150万円) | |||
店舗賃借料 | 交付決定日から3年間の店舗賃借料 | 3/4 | 1年目:180万円(月額15万円) 2年目:144万円(月額12万円) 3年目:120万円(月額10万円) |
申請時の注意点
申請時には、以下の点に注意してください。
- 審査結果は、申請された方法にてお知らせします。個別の問い合わせには対応していません。
- 審査の結果、助成金申請額と助成金交付予定額が異なる場合があります。
- 助成金交付決定の際、交付の条件がつく場合があります。
- 助成対象事業として採択された場合、事業者名、商店街名、事業テーマ等が公表されます。
- 若手・女性リーダー応援プログラム助成事業と商店街起業・承継支援事業の2事業に併願申請し、2事業とも採択された場合には、若手・女性リーダー応援プログラム助成事業での採択となります。
どんな事業が対象になる?助成対象事業とは
助成の対象となるのは、都内商店街で新規に実店舗を開設する事業者等です。申請時点でネットショップ等で営業活動をしている事業者も申請可能ですが、都内に限らず、申請時点で実店舗を持っていない場合に限られます。
なお、「実店舗」とは、以下の形態を指します。
■現物を手に取ることができ、一般消費者に対して商品やサービスが常に提供可能な家屋
自治体等が運営するチャレンジショップや、利用日時が制限されているシェアキッチン等は対象外です。
誰が対象になる?応募資格・申請要件
そのほか、主な応募資格は、以下の3つです。
①「女性」もしくは「年度末時点で39歳以下の男性」である
②都内商店街で実店舗を持っていない開業予定の創業予定者もしくは個人事業主である
➂独創的な事業プランを考え、主体的に商店街活性化に取り組む意欲がある
【申請要件】
都内開業助成金全体の、主な申請の要件は以下のとおりです。
主な申請要件 |
---|
■交付決定日から1年以内に開業(開店)すること ※開業日とは、店舗で事業を開始する日のことです。開業届の届出日ではありません。 ■申請時点で、当該商店街にある商店街振興組合等の組織の代表者等から、出店の確認が取れていること ■開業までに、必要な許認可等を取得すること ■経営に関する知識を有していること ■事業に関する実務知識を有していること ■商店街組織に加入すること ■本助成金以外から、同一の内容・経費で助成金等の交付を受けていないこと ■事業税等を滞納していないこと ■過去5年間に、助成事業等に関する不正等の事故を起こしていないこと ■助成事業の継続性について不確実な状況が存在しないこと ■風俗業事業者や、暴力団関係者等でないこと ■その他、公社が公的資金の助成先として適切でないと判断するものではないこと |
【助成対象期間】
各助成の対象期間は、以下のとおりです。支払い時期のイメージ図とあわせて確認してください。
①事業所整備費
交付決定日から開業日が属する月の翌々月末まで(1年以内) ⇒下図の「助成金支払回①」に該当します。
②店舗賃借料
交付決定日から3年間 ⇒下図の「助成金支払回②③④」に該当します。
出典:募集要項
助成対象経費
助成対象経費は、以下の①~⑤に該当するものに限られます。
①事業を実施するための必要最小限の経費
②定められた期間内に支払が完了したもの
➂助成対象の確認が可能であり、本助成事業に係るものとして、明確に区分できる経費
④財産取得となる場合は、所有権が助成事業者に帰属する経費
⑤専門業者へ直接委託・契約するもの
具体的な対象経費は、以下のとおりです。
①交付決定日から開業までにかかる事業所整備費
■店舗新装・改装工事費 |
商店街で開業等するために行う店舗の新装又は改装に要する工事費用 【対象外】 ・内装等の解体撤去は除き、店舗の購入費、建物躯体の解体撤去費用 ・原材料を調達して自らが工事を行った場合の費用 ・業務の全てを第三者に再委託された工事費用 ・工事に係るデザイン費 |
■設備・備品購入費 |
店舗開業時に必要な設備・備品(1点で税込10万円以上)の購入に要する費用 住居兼店舗等については、店舗専有部分で必要となる設備・備品のみが対象です。なお、次のものを同時に購入する場合は、その合計金額を「1点あたりの購入単価」とします。 ・ダイニングテーブル、イス等を組み合わせたもの ・複数の物品で構成されるレジシステム 【対象外】 ・アンティーク品含む、中古品購入費 ・車両の購入費 ・カメラなど、使用目的が本助成事業の遂行に必要なものと特定できないもの ※ただし事業専用のPCは、1台に限り対象 ・オーダー品の場合の設備・備品等に係るデザイン費 ・設備のリース料・レンタル料 ・食器、ハンガー、文房具等、消耗品の購入費 |
■宣伝・広告費 |
店舗開業に向けての広報を目的として、外部の事業者等へ委託して行う取り組みに要する費用。対象となるのは、以下の経費です。 ・WEBサイト制作・改修費 WEBサイト制作費の上限は、50万円(税抜き)です。維持管理費等は対象外です。 ・チラシ作成費 新聞折り込み代・ポスティング代を含む、紙媒体のみが対象です。ただし、未使用残存品等は対象外です。 ・広告掲載費(新聞、雑誌等紙媒体、WEB) 全国紙への掲載費や一般消費者向けではない業界専門誌への掲載費、代理店経由の契約に係る経費等は対象外です。 |
②交付決定日から3年間の店舗賃借料
■店舗賃借料 |
助成事業の遂行に必要な店舗を新たに借りる場合の賃借料 【対象外】 ・敷金、礼金、仲介手数料、保証金、管理費、共益費等 ・火災保険料、地震保険料、賃借料に含まれる消費税、水道光熱費等 ・申請者本人または三親等以内の親族が所有する不動産等に係る店舗賃借料 ・店舗賃借料のみの申請 ・住居兼店舗等における、住居等の部分の賃借料 店舗賃借料では、交付決定日から6ヶ月前より後に締結した賃貸借契約は助成対象です。ただし対象経費として認められるのは交付決定日以降の賃借料のみです。 なお、以下の事情により助成対象期間外に支払いをした賃借料は、助成対象となります。 ・賃貸借契約締結時等に前払いする必要がある場合 ・賃貸借契約に基づき前月に前払いする場合 |
若手・女性リーダー応援プログラム助成事業 スケジュールと事業の流れ
若手・女性リーダー応援プログラム助成事業の申請は、第一回から第三回まで予定されています。申請方法は、郵送または電子データでの書類提出です。
次は、申請スケジュール等を見ていきましょう。
若手・女性リーダー応援プログラムの実施日程※9月24日更新
申請書類は、郵送もしくはjGrantsにて提出します。jGrantsを利用する場合は、事前に「gBizID プライム」のアカウント取得が必要です。アカウントの発行には時間がかかりますので、余裕をもって申請準備を始めましょう。
申請書類提出の各締め切りや審査等の実施日程は、以下のとおりです。
段階 | 申請回 | 日程 |
申請書類提出 | 第1回 | |
第2回 | ||
第3回 | 9月20日(金)~10月11日(金) | |
一次審査 | 第1回 | 5月中旬~6月上旬 |
第2回 | 7月下旬~9月上旬 | |
第3回 | 10月中旬~11月下旬 | |
二次審査 | 第1回 | 6月下旬 |
第2回 | 9月下旬 | |
第3回 | 12月中旬 | |
交付決定日 | 第1回 | 8月1日(予定) |
第2回 | 11月1日(予定) | |
第3回 | 令和7年2月1日(予定) |
申請書類の作成・提出
申請書類は、公社WEBサイトからダウンロードして作成してください。申請に必要な主な書類は、以下の①~⑮です。
①商店街出店に関する確認書 |
②申請書 |
➂月次資金繰り表 |
④申請費用の根拠資料 |
⑤開業する物件の詳細が分かる資料 |
⑥経歴書 |
⑦経営研修等に関する書類 |
⑧実務研修等に関する書類 |
⑨補足説明資料 |
➉納税証明書(創業予定者、個人事業主) |
⑪納税証明書(法人) |
⑫収入・所得に関する書類(創業予定者) |
⑬確定申告書 |
⑭住民票 |
⑮履歴事項全部証明書 |
採択倍率
都内開業助成金の採択倍率は、年々上昇傾向にあります。令和5年度の若手・女性リーダー応援プログラム助成事業の採択倍率は、以下のようになりました。
■申請者数:88件
■採択数:11件
■採択倍率:8倍
そのほか、直近3年間の採択倍率推移や商店街企業・承継支援事業の倍率は以下の図を参照してください。
出典:若手・女性リーダー応援プログラム助成事業 商店街起業・承継支援事業
一次審査・二次審査
本事業の採択では、一次・二次の2回にわけて審査が行われます。一次審査は「資格・書類審査」、二次審査は「面接」です。審査では、以下の①~⑥の項目が確認されます。
①実現性 | 事業の実現可能性があるか(知識、経験、継続性等) |
②妥当性 | 資金繰り、収支計画、スケジュールに無理はないか |
➂商店街活性化への寄与 | 商店街活性化への貢献度、波及効果を考慮しているか |
④経営者の適格性 | 経営者としての資質・意欲、人脈があるか |
⑤独創性 | 事業内容にオリジナリティ、創意工夫があるか |
⑥商店街におけるリーダーシップ | リーダーとしての資質・意欲、今後の展望 |
助成事業の流れ
最後に、事業の流れを確認しましょう。助成事業全体の流れは、以下のとおりです。
①申請書類提出
②一次審査(書類審査)
➂二次審査(面接審査)
④助成対象者決定
⑤事務手続き説明
⑥事業実施
⑦実績報告
⑧完了検査
⑨助成金額の決定
➉助成金交付
まとめ
空き店舗を有効に活用し、潜在的な労働希望者の雇用を増やすことは、地域全体の活性化につながります。地域の活性化は、国全体の経済成長の要です。
特に女性や若手事業者では、資金的な理由で開業に至らない創業予定者も多くいることが推測されます。資金的な支援を受け、新たなリーダーとして活躍することになれば、社会全体に大きな利益をもたらします。
若手・女性リーダー応援プログラム助成事業をはじめとした助成制度を活用し、意義あるチャレンジに取り組みましょう。