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人への投資促進コースとは?eラーニング・定額制研修に最大75%助成される仕組みを解説【人材開発支援助成金】

公開日:2023/9/5 更新日:2026/4/13
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「研修費用は出したいが予算が足りない」「eラーニングのサブスクを導入したいが費用対効果が見えない」――そんな悩みを持つ担当者に活用してほしいのが、人材開発支援助成金の「人への投資促進コース」です。サブスクリプション型の定額制研修から高度デジタル人材の育成訓練まで、幅広い訓練費用を最大75%助成する制度です。

令和8年度末までの時限措置のため、活用を検討しているなら早めに内容を把握しておくことをおすすめします。本記事では、5つのメニューの助成額や要件、申請の流れをわかりやすく解説します。

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この記事の目次

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人材開発支援助成金「人への投資促進コース」の詳細

人材開発支援助成金は、事業主が従業員に対して職務に関連する職業訓練を実施する際、その経費や賃金の一部を支援する制度です。その中の「人への投資促進コース」は、人への投資を加速化するため国民からの提案を形にした訓練コースで、令和4年~令和8年度の期間限定助成として実施されます。

人への投資促進コースは、以下の5つのメニューで構成されています。

区分詳細
定額制訓練(サブスリプション)サブスクリプション型の研修サービスによる訓練の実施
高度デジタル人材訓練・成長分野等人材訓練高度デジタル人材等の育成のための訓練の実施
情報技術分野認定実習併用職業訓練IT分野未経験者の即戦力化のための訓練の実施
自発的職業能力開発訓練労働者が自発的に受講した訓練費用を負担
長期教育訓練休暇等制度働きながら訓練を受講するための休暇制度等を導入

これらの制度を組み合わせることで、企業は目的に合わせた多様な人材育成施策を実施できます。自社の課題や育成方針に合わせて、効果的な制度を選べる仕組みです。

eラーニング等の定額制訓練(サブスクリプション)も助成対象に

人への投資促進コースの「定額制訓練」では、eラーニング等の定額制で受けられる訓練も対象となります。eラーニングとは、コンピュータなどの情報通信技術を活用した遠隔講習のことを指します。

定額制訓練では、正規社員・非正規社員問わずサブスクリプション型の研修サービスが対象となるため、隙間時間に無理なく効率良くIT知識・PCスキルを習得できる環境を整備できます。また、従業員のPCスキル向上により、事務処理スピードの向上にも効果的です。

2026年度の変更点

人への投資促進コースでは2026年4月8日以降、以下の点が変更されています。

変更項目 変更内容
定額制訓練の支給要件 支給対象労働者の要件が「合計10時間以上」から「1人あたり10時間以上」に変更
長期教育訓練休暇制度 新規採用助成・職務代行助成が新設

これまで受講者全員の合計時間数が10時間以上であれば助成対象となっていましたが、改正後は1人あたり10時間以上の修了が必要になりました。定額制サービスを活用している企業は受講管理の見直しが必要です。

また、長期教育訓練休暇取得者の代替要員を新規採用した場合や、既存社員に業務を代替させて手当を支払った場合に、中小企業を対象とした追加助成が受けられるようになりました。

人への投資促進コースの概要と補助額

人への投資促進コースの、5つのメニューの概要と補助額はそれぞれ以下のとおりです。

定額制訓練(サブスリプション)

定額制訓練は、労働時間に実施される定額制サービス(サブスリプション)による訓練にかかる経費の一部を助成するメニューです。訓練の実施期間は1年以内で、対象労働者が定額制サービスに含まれる訓練等を修了し、その修了した訓練の標準学習時間が10時間以上である場合に対象となります。

詳しい補助率は、以下のとおりです。

事業規模補助率
中小企業60%(+15%)
大企業45%(+15%)

中小企業は対象経費の60%、大企業は45%が助成されますが、以下の賃金要件・資格等手当要件を満たした場合、15%の加算を受けられます。

賃金要件・毎月の賃金について、訓練終了日の翌日から起算して5年以内に、5%以上増加させている
資格等手当要件・資格等手当の支払いについて、就業規則、労働協約又は労働契約等に規定する
・訓練終了後の翌日から起算して1年以内に全ての対象労働者に対して実際に当該手当を支払い、毎月決まって支払われる賃金を3%以上増加させている

補助上限額は従業員1人あたり1か月2万円、人への投資促進コースの全てのメニューを合わせて合計で、1事業者1年度あたり2,500万円までとなります。

定額制訓練の助成対象となる経費は、定額制訓練の基本料金です。その他、初期設定費用・アカウント料・管理者ID付与料金・修了証の発行等のオプション料金も含まれます。

高度デジタル人材訓練・成長分野等人材訓練

高度デジタル人材訓練・成長分野等人材訓練は、DX推進や成長分野などでのイノベーションを推進する高度人材の育成を支援するメニューです。大学院での訓練も補助対象となり、他のメニューに比べ高率助成となります。

詳しい助成額は、以下のとおりです。

【高度デジタル人材訓練(通学制・同時双方向型・eラーニング等の人材訓練)】

中小企業大企業
経費助成率75%60%
賃金助成額1,000円/時500円/時

【成長分野等人材訓練(大学院により実施される人材訓練)】

中小企業大企業
経費助成率75%
賃金助成額1,000円/時
※国内の大学院の場合

高度デジタル人材訓練の場合、主たる事業が「情報通信業」であり、事業適応計画(情報技術事業適応)の認定を受けていることが求められます。また、海外の大学院により実施される成長分野等人材訓練の対象となるのは、日本の学士以上に相当する学位を取得した従業員に限られます。

成長分野等人材訓練については、補助上限額は最大1,000万円までとなります。

情報技術分野認定実習併用職業訓練

情報技術分野認定実習併用職業訓練は、IT分野未経験者に対するOFF-JTとOJTを組み合わせた訓練への助成メニューです。主たる事業が「情報通信業」であり、15歳以上45歳未満の労働者が対象となります。

詳しい助成額は、以下のとおりです。

中小企業大企業
経費助成60%(+15%)45%(+15%)
賃金助成800円/時(+200円/時)400円/時(+100円/時)
OJT実施助成20万円(+5万円)11万円(+3万円)

上記のカッコ内は、賃金要件・資格等手当要件を満たした場合の加算額となります。

原則、対面による訓練(通学制または同時双方向型の通信訓練)が対象であるため、eラーニングによる訓練と通信制による訓練は対象外です。ただし、大臣認定を受けた訓練と、内容に連続性があり一連のものである場合には、eラーニングによる訓練や通信制による訓練も助成対象となります。

なお、新規学卒予定者以外に本メニューを適用する場合、キャリアコンサルタントなどによるジョブカードを活用したキャリアコンサルティングを受ける必要があります。

自発的職業能力開発訓練

自発的職業能力開発訓練は、労働者の自発的な職業能力開発を支援する事業主への助成メニューです。本メニューを適用するためには、就業規則等に自発的職業能力開発経費負担制度を定めた上で、事業主が訓練対象経費の1/2以上を負担する必要があります。

詳しい助成率は、以下のとおりです。

中小企業大企業
経費助成率45%

対象となる訓練は、通学制・同時双方向型の通信訓練・eラーニング・通信制のいずれかとなります。eラーニング・通信制の場合は1コースあたりの標準学習時間が10時間以上、又は標準学習期間が1か月以上の訓練が対象です。

長期教育訓練休暇等制度

人への投資促進コースでは、長期教育訓練休暇制度や教育訓練短時間勤務等制度を用意し、労働者の自発的な職業能力開発を促進した場合の助成を拡充しています。

〈①長期教育訓練休暇制度とは〉
教育訓練を受けるための有給・無給の長期休暇を就業規則等定めて、職業能力開発・向上を促進する制度
〈②教育訓練短時間勤務等制度とは〉
教育訓練を受けるための所定労働時間の短縮・免除の両方を就業規則等で定めて、職業能力開発・向上を促進する制度

詳しい助成額は以下のとおりです。

【長期教育訓練休暇制度】

中小企業大企業
賃金助成1,000円800円(+200円)
制度導入助成20万円(+4万円)
【★NEW】新規採用助成30日以上90日未満…27万円
90日以上180日未満…45万円
180日以上…67万5千円
【★NEW】職務代行助成職務代行手当の75%
(月上限16万円)

【教育訓練短時間勤務等制度】

中小企業大企業
賃金助成
制度導入助成20万円(+4万円)

賃金助成は、長期教育訓練休暇を取得する対象労働者に対し、通常の賃金以上の額を支払う場合に支給されます。1人あたりの賃金助成対象時間数の上限は1,600時間(大企業の場合は1,200時間)で、対象者数に対する上限はありません。

令和8年4月8日以降は、長期教育訓練休暇取得者の代替要員として新たに労働者を雇用または派遣を受け入れた中小企業に対し、「新規採用助成」「職務代行助成」が新設されています。

制度導入助成は、新たに制度を導入する場合に支給され、1事業主あたり1回限りの支給となります。

長期教育訓練休暇等制度については、教育訓練休暇等付与コースでも詳しく解説しています。

詳しくはこちら:

人材開発支援助成金の「教育訓練休暇等付与コース」要件と活用事例を紹介

申請対象となる事業主

人への投資促進コースの、全てのメニューで対象となるのは、以下のすべての要件に当てはまる事業主です。

①雇用保険適用事業所の事業主である
②労働組合等の意見を参考にして、事業内職業能力開発計画およびこれに基づく職業訓練実施計画届を作成し、その計画内容を従業員に周知している
③職業能力開発推進者を選任している
④職業訓練実施計画届の提出日前日の6ヶ月前から支給申請書の提出日までの間に、雇用する被保険者を解雇等、事業主都合により離職させていない
⑤職業訓練実施計画届の提出日前日の6ヶ月前から支給申請書の提出日までの間に退職勧奨・事業縮小や賃金大幅低下等の理由で離職した者が雇用保険被保険者数の6%を超えていない(3人以下の場合を除く)
⑥被保険者に職業訓練を受けさせる期間中も、賃金を適正に支払っている
⑦助成金の支給または不支給の決定に係る審査に必要な書類等を整備、5年間保存している
⑧審査に必要な書類等を管轄労働局長の求めに応じ提出または提示する、管轄労働局長の実地調査に協力する等、審査に協力する事業主である

本助成金では、中小企業とそれ以外の企業で、補助率・補助額が異なる場合があります。その場合の中小企業とは、以下の出資金または従業員数のいずれかの要件を満たす企業を指します。

主な事業資本金または出資の総額常時雇用する労働者数
小売業(飲食店を含む)5,000万円以下50人以下
サービス業5,000万円以下100人以下
卸売業1億円以下100人以下
その他の業種3億円以下300人以下

なお、過去1年の間に人材開発支援助成金の支給決定を受けた訓練で、受講者の離職率が訓練後6か月以内に50%以上となったケースが2回以上ある事業主は、申請の対象外となります。

また、支給申請日の前日から過去1年間に労働関係法令の違反を行った場合や、過去5年以内に不正受給等があった場合も、申請することはできません。

対象となる労働者

人への投資促進コースの助成対象となる労働者は、以下のすべての要件を満たしている必要があります。

①助成金を受けようとする事業所で雇用保険の被保険者である
②訓練実施期間中、雇用保険の被保険者である
③「対象労働者一覧」に記載され、その一覧を事業所が提出している

・通学制・同時双方向型の通信訓練の場合…8割受講していること
・eラーニング・通信制による訓練、海外の大学院の場合…訓練実施期間中に訓練を修了した者であること
・定額制サービスによる訓練の場合…定額制サービスに含まれる訓練等を修了し、訓練の合計時間数が1時間以上である者
⑤育児休業中訓練である場合、育児休業中に自発的な申し出により訓練を受講する者であること

労働者が訓練期間中に自己都合退職した場合については、実施形態ごとに一定の基準を満たしていれば、経費助成に限り実際に事業主が負担した額を対象として支給を受けられます。

リスキリングに最適!具体的な活用例

人への投資促進コースは幅広い訓練に対応しており、自社の課題に応じて様々な活用方法があります。ここでは、中小企業での具体的な活用例を紹介します。

サブスクリプション型の研修サービスで訓練を行った場合

【課題】
様々なコンテンツの中から、従業員1人ひとりに合った訓練を行い、知識を深めてほしい
【訓練】
・訓練コース営業職研修受け放題講座(40名)
・訓練内容新入社員から管理職までの幅広い層に対応した営業職に関するeラーニング訓練。
訓練経費:42万円(1名~50名まで1か月3.5万円×12月の料金)
【助成内容】
経費助成:189,000円(45%)
【成果】
資格を取得して専門的な知識を身につけることで、管理職として活躍してもらうことができた。高度な資格を保持していることが会社のアピールポイントにもなっている。

IT分野未経験者にIT関連の訓練を行った場合

【課題】
IT未経験の従業員にも、ITの内容を覚えてもらい、即戦力として働いてほしい
【訓練】
・訓練コースプログラミング(1名)
・訓練内容スマート端末上の開発に必要なプログラミング言語の習得等、OJTで実際に発注を受けたシステムの構築
OFF-JT時間:800時間
訓練経費:70万円
OJT時間:200時間
・ITSSレベル2に相当する資格試験の受験訓練
経費:5万円
【助成内容】
経費助成:450,000円(60%)
賃金助成:608,000円(1時間あたり760円)
OJT実施助成:200,000円
【成果】
未経験者から一人前のSEに成長させることができた。高額で手が出せない資格も、助成金があることで、取得させることができた。

参考:「人への投資促進コース」の活用例

人への投資促進コースの申請手順

人への投資促進コースの申請手順は、各メニューにより異なります。どのメニューも、事前に職業訓練実施計画届を提出した上で計画を実施し、訓練終了日の翌日から2ヶ月以内に、必要書類を管轄労働局に提出してください。

長期教育訓練休暇等制度に限っては、制度の最終適用日(教育訓練短時間勤務等制度の場合は最初の適用日)の翌日から2か月以内となります。

各メニューにの書類様式については、人材開発支援助成金公式サイトの「人への投資促進コース」よりご確認ください。

人への投資促進コースに関するよくある質問

最後に、人への投資促進コースに関するよくある質問を紹介します。

補助上限額はいくら?

人への投資促進コースの全てのメニューをあわせて合計で、1事業者1年度あたり2,500万円までです。ただし、成長分野等人材訓練については、上限1,000万円までとなります。

労働者が業務の合間に自席から定額制サービスによる訓練を受講しても対象になる?

助成対象となります。支給対象となる訓練は、業務上義務づけられ、労働時間中に実施される必要があります。

定額制サービスの訓練と他の方法で実施される訓練を組み合わせて実施しても助成対象になる?

定額制サービスによる訓練を実施する場合は、通学制の訓練など他の方法で実施される訓練と組み合わせて実施することはできません。定額制訓練は、定額制サービスによる訓練のみで実施する必要があります。

2つの異なる内容の定額制サービスを組み合わせて、1つの計画として届け出ても良い?

2つ以上の定額制サービスの支給を1つの計画として届けることはできません。2つ以上の異なる内容の定額制サービスの支給を受けたい場合は助成対象となりますが、定額制サービスに応じた数の計画届を提出する必要があります。

雇用保険の被保険者以外の者も、契約した定額制サービスの訓練を受講させてもいい?

雇用保険の被保険者以外の者についても、契約の範囲内で定額制サービスの訓練を受講させることを否定することはありません。ただし、雇用保険被保険者以外の者にかかる訓練経費は助成対象となりません。


参考:令和6年10月版 人材開発支援助成金事業主様向けQ&A (人への投資促進コース)

まとめ

効果的な人材育成には、「なにを・だれに」とともに、「いくらの予算」も大切な要素です。高度なスキルアップを目指すためには、予算的な問題も大きな課題です。

人への投資促進コースは、こうした予算面の課題を踏まえて、幅広い訓練に対して費用面を手厚く支援する制度として設計されています。従業員に習得させたい訓練を、費用負担の問題で先送りにしている場合には、ぜひ活用をご検討ください。

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